【レポート】静岡市長を表敬訪問 WWA受賞を報告

2024年4月24日(水)、ガイアフロー代表 中村大航は、静岡市長を訪問しました。初めてのWWA日本最高賞の受賞と蒸溜所の現在の状況、そして5月に市内で開催されるクラフトビール&ウイスキーフェアについてなどを報告。創業当時からの市のサポートに、改めて感謝をお伝えしました。

静岡市役所を訪問

前回県庁を訪問した時と同様、雨降りとなった4月24日。
街の中心を通る青葉シンボルロードの突き当たりにある静岡市役所を、ガイアフロー静岡蒸溜所 代表 中村大航と、副社長の中村美香が訪問しました。

今回の訪問は、WWAの受賞報告です。静岡市初のウイスキー蒸留所としてサポートしてくださった皆様へ、お礼とともにご報告に伺いました。

静岡市長 難波喬司さんが笑顔でお迎えくださり、早速報告会がスタート。
ここからは抜粋した対談形式でレポートします。


中村:2016年からオクシズでウイスキー造りを始めて以来、2020年末に最初のウイスキーを発売したのですが、このたびついに日本最高賞を受賞しましたのでご報告に参りました。

難波:それは素晴らしいですね。おめでとうございます。どんなウイスキーなんですか?

中村:これは世界的に例のない、薪の直火蒸留機で蒸留したものなんです。市内の森林を保護する木こりさんが切り出した間伐材を利用しています。杉の間伐材は活用方法が少ないらしく、ではそれを薪として使おうと。オクシズの森を保つ一助にもなっているのではと考えています。

そして原料も非常に珍しいのですが、国産の大麦を100%使用しています。ジャパニーズウイスキーはほとんどが輸入大麦に頼っている中、弊社は創業当時から国産大麦も併用していました。そして他社に先駆けて「純日本産大麦」というシリーズをリリースしていたのですが、今回受賞したのはこの日本産大麦を薪の直火蒸留機で造り上げたものです。

このWWAというのは、世界で最も権威のあるウイスキーのアワードで、日本のシングルモルトウイスキーの少量生産品、「スモールバッチ」というカテゴリーで日本一になりました。この商品はノンエイジという、年数表示をしていないものなのですが、それ以上に熟成の長いもの、年数表記をしたものよりも高く評価されました。

実は日本一として、世界のファイナルのステージにも進んだのですが、やはり世界の壁は厚く、ここでは入賞を逃しました。結果として、デンマークの同じように小さな蒸留所のウイスキーが受賞しています。

ウイスキー造りを始めてまだ8年ですが、世界で戦えるポテンシャルを持つウイスキーが造れるようになりました。ようやくという感じもしますが、まだまだ半人前ですね。これからもクオリティを上げていきたいと思っています。

難波:いやあ、すごいことですよ。これからもますます楽しみですね。

中村:この「純日本産大麦」でのテロワールへのこだわりをさらに進めたのが、こちらの「100%静岡大麦」です。これは最初オクシズの山本建材さんが大麦栽培に挑戦してくださって、その時に蒸留した原酒がようやく昨年、製品になりました。
手探りでの大麦栽培だったものですから、収穫量はあまり取れず、御殿場の農家さんのものを合わせて1仕込分、なんとか2樽分の原酒になりました。熟成中にも時折チェックしていたのですがかなり元気で。良しということで昨年ボトリングしたのですが、5年熟成で、非常にしっかりしています。まずは1樽、306本が出来上がりました。

この経験から、県産大麦でのウイスキーづくりを本格化したいと考えたところ、焼津の農家さんが協力してくださることになって、2019年から毎年ある程度の量を収穫できるようになりました。今年は5月に収穫の予定です。

このような取り組みは、今でこそ全国の蒸留所で始まっていますが、弊社は2015年の蒸留所稼働前からで、当時はそんなことをしているところはどこにもありませんでした。これは静岡から始まったムーブメントで、先進的なウイスキーづくりをしていると自負しています。

難波:とてもいいことですね。これ、酵母も静岡産なんですね?

中村:はい、静岡は県で開発した日本酒酵母があり、その沼津の研究所でクラフトビールのメーカーと一緒に大麦用の酵母を開発していただきました。このような酵母の開発をする自治体も少ないですね。

難波:日本産のものとは、味わいが違いますか?

中村:はい、こちらはプレゼントしますので、ぜひ飲んでみてください(笑)。度数が高いですし、元気なので、落ち着くまで少し時間をかけてみてください。

難波:それはそれは、ありがとうございます。

中村:そして、来月5月ですが、常磐公園で静岡クラフトビール&ウイスキーフェアを開催します。2015年に第1回を開催して以来、クラフトビールの醸造が県内で盛んになりました。そういった造り手と交流しながら、いろいろなビールやウイスキーを楽しめるということで、活気あるイベントです。コロナ禍の時には、開催についてご相談したこともありました(笑)。

難波:そうでしたね(笑)。また安心してイベントができるようになって何よりです。

中村:はい。これからしっかり周知を行い、たくさんの人が楽しめる、まちが元気になるイベントにしたいと思っています。

難波:働いているのは、みなさん経験者ですか?

中村:いえ、ほとんどうちが初めてで、ゼロからウイスキーづくりを学んでいます。20代の若者が中心で、全国からウイスキーを造りたいと移住してきてくれています。ほとんどは市内の街中に住んで、車で通っていますね。この4月から二交代で増産を始めたので、スタッフも増えています。

難波:ありがたいことですね。
そういえば、市の土地を買っていただいてるんですよね。

中村:そうですね。全国でウイスキーを作れる場所を探していたら、なんと地元にあったという(笑)。
今の土地に建設を始めることになってからは、市としても深く関わっていただいて。とても手厚いサポートを受けられました。

難波:静岡市内で造られるウイスキーが、日本、そして世界に羽ばたくのは、市としても嬉しいです。
一番長いものでどのくらいですか?

中村:2016年に蒸留を始めたのですが、その樽にはまだ手をつけていません。ですので8年ものになるでしょうか。今の商品は3〜5年くらいの原酒を中心にブレンドしていますが、本当は6〜7年くらいをメインにしたいと思っています。

ただ、技術的にはかなり改善しています。業界のOBの方に来ていただいて定期的に講習を受けています。
増産前にある程度のレベルに上げておかないとという考えがありましたから、今はかなりレベルアップしてきました。これからしっかりとボリュームの方も出していこうという形で進めています。

難波:素晴らしいですね、ぜひこれからも頑張ってください。

中村:ありがとうございます。


市政のお忙しい中、地元でのウイスキー造りにエールを送ってくださった静岡市長。
静岡蒸溜所創成期からのご支援に感謝しながら、これからも静岡の魅力を反映するウイスキーを目指してまいります。そして、静岡市民のみなさまにも「地元のウイスキー」として親しんでいただけるようスタッフ一同いっそう尽力していきたいと考えています。どうぞご期待ください!

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