東海道五十三次シリーズが人気沸騰!代表バート・ブラネル氏に聞いた、アスタモリスのこれまでとこれから【後編】

ベルギーからやってきた、ボトラーズ『アスタモリス』

前編では、アスタモリス人気の火付け役、東海道五十三次シリーズや、アスタモリスに関する今まで公開したことのなかった情報をお届けしました。
後編では、バート氏にインンタビューをし、アスタモリスについてお伺いした模様をお伝えいたします。インタビューで明らかになった、彼自身の詳細なプロフィール、彼とアスタモリスの軌跡を初公開します。

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—これまでの経歴を教えてください。

私は今まで、食品産業に携わっており、ベルギー国内だけではなく、オランダ、ドイツ、デンマーク、ルクセンブルクなどの国々とも取引をしていました。

アスタモリスを始めたのは今から5年前のことですが、ウイスキーに強い興味を持ち出したのは1994年のことでした。現在は食品産業に別れを告げ、アスタモリスに自分の全てを注いでいます。

 

—なぜアスタモリスを設立したのですか?

前述の通り、全ての始まりは1994年、ベルギーのバーで初めてウイスキーを飲んだことがきっかけでした。それから数多くのウイスキーを飲みました。その頃はまだ、インターネットが普及していなかったので本を読んで勉強したものです。金色に輝くお酒を探して様々な場所へ出向き、ベルギーにおけるパイオニアたちの話を聞き、議論をしました。

2000年に、私にウイスキーを教えてくれたカルロスという人物と、「Wee Dram Whisky Society」(www.weedram.be)というウイスキークラブを立ち上げました。2006年には、あの「Malt Maniacs」に入会することができ、私のウイスキーにかける情熱は、どんどん強くなっていきました。その後も様々なウイスキーをテイスティングしていましたが、2011年のある日、ベンリアック1975(私の産まれた年です)に出会いましいた。その味わいは衝撃的で、私は虜になってしまいました!私は、このベンリアック1975の樽を買い、それがアスタモリスのブランドとしてのスタートになりました。

この時がアスタモリスの設立と言えるわけですが、決してそこから何かが新しく始まったわけではなく、そこに至るまでの「長年にわたる情熱が深まっていった成果」がアスタモリスとして形になったと考えています。

 

—アスタモリスのこれまでの実績を教えてください。

アスタモリスは、どのコンペティションにもエントリーしたことがないので、いかなる賞も受賞したことはありません。

その代わりにやってきたことは、多面的な感性に触れ、より良い考えを探し出したり、美味しいジンを造ったり、また別のスピリッツ造りの実験をしてみたり。そして一番素晴らしいことは、世界中を旅し、各地の素晴らしい人たちと出会うことです。

私が好きなことをやってきたその積み重ねが、アスタモリスなのです。

 

—NOG!ジンは、どうして生まれたのですか?

以前の私は、全くと言っていいほどジンには興味がなかったんですよ。ジン愛好家の友人たちにからかわれ、「君に素晴らしいジンが造れるのかい?」と言われてしまったほどです。

私はすぐにいい考えを思いつきました。それは、アスタモリスのウイスキーを熟成していた空き樽でジンを熟成させるということです。11ヶ月後にはNOG!が誕生しました。ガイアフロー代表の中村大航氏が「日本向けにもジンを造ってほしい」と言ってきたとき、私はすぐに「熟成していないNOG!」はどうだろうかと思いました。これはソウルジン(レシピは100%私によるのもの)となり、発売がされています。最初、ソウルジンは日本限定発売でしたが、アントワープにある世界でもっとも美しいレストラン『ジェーン』も、これをとても気に入ってくれて、彼らの「ハウスジン」として置いてくれています。

いま私は、NOG!をどう発展させていくかに心血を注いでいます。

 

—今後の展開について教えてください。

アスタモリスのウイスキーやジンの新商品はもちろん、2つの新企画を考えています。今はまだ、その内容についてお話できませんが…。未来が輝いていることは確かです。私たちが楽しみ続ける限りはね。

 

—日本のファンの方にメッセージをお願いします。

ええ、まずは私が日本という国と完璧に恋に落ちていることを、みなさんにお伝えしてしなくてはいけないでしょうね。本当に日本が大好きで、もう次に日本へ行く日が待ちきれません!いつでも暖かい歓迎をしてくれることに驚かされますし、なにより、みなさんがアスタモリスのことを私と同じように情熱を持って好きになってくれていることをありがたく思います。

私が日本のみなさんに伝えたいことは、このひとことに尽きます。
「アリガトゴザイマース!!!」

 

 

熱い情熱を秘めた、明るくゴキゲンなバート氏の人柄

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インタビューのやり取りは全て英語で行いましたが、何度も出てくるのは、「passion(情熱)」というワード。とにかく、ウイスキーに熱い男、それがバート氏です。

英語でpassion、日本語で情熱、というのは、あまりにもざっくりとした表現です。私の知り得る、彼の情熱をここで紹介したいと思います。

ひとつ、およそ6ヵ国語を話せるそうです。ベルギーの母国語であるオランダ語に、周辺国のドイツ語、フランス語、イタリア語、それとロシア語、英語。似ている言語もありますが、とは言えちょっとした知識では話すことはできないでしょう。ウイスキーを通じ、国を越え様々な人と交流を深めているからこそ、それぞれの言葉で通じ合いたいという情熱が生まれ、語学の習得につながっているようです。

日本に来てからは、日本語にも興味が出てきたようです。私たちが話す言葉を復唱したり、「アリガトゴザイマス」とか、「スゴイ」とか日常的に使用する言葉を言ってみたりします。今度は日本語にチャレンジするつもりかも知れません。

もうひとつは、前編にあったとある伝説を含めた、ウイスキーへの情熱。ふとしたきっかけでウイスキーにのめり込み、様々なウイスキーを飲み、情報を手に入れ、パイオニアと議論するまでに発展するという熱さ。世界的に有名なウイスキーコレクターの山岡秀雄さんとも、この時期に知り合ったそうで、長年親交を深めているということです。

加えて、彼の仕事に対する姿勢は、とても真摯かつ丁寧です。何か質問や疑問を投げかけると、必ずすぐに、わかりやすく丁寧な答えが返ってきます。例えば、テイスティングコメントをお願いすると、その日のうちもしくは翌日には詳細なテイスティングコメントを届けてくれるのです。とても仕事熱心で、誠心誠意、ウイスキーと向き合っています。

そんな彼は、真面目で熱い情熱を持ちつつ、とても明るくゴキゲンに振る舞います。

おちゃめで、冗談も言います。いつもニコニコと明るく、メッセージのやり取りでは私をからかったり、仲間との楽しそうな(はたまた、変な顔をして)写真を送ってきたりもします。

初来日で日本のことがすっかり気に入ってしまった彼は、日本のことなら、いつでもどんなことでも興味津々です。酒販店さんに行けば、豊富なウイスキーのラインナップを見て日本のウイスキー文化に感激し、対応していただいた方と冗談交じりでウイスキー談義で盛り上がったりしています。回転寿しに行けば、「皿が走ってる!!」と言いながら、動画を撮ったり。日本の文化、そして日本人のおもてなしの心に魅了されているようです。

イベントや飲食店で彼と話したことがある方はご存知かと思うのですが、いつでも楽しそうで、日本のことをもっと知りたい故に、気になることは何でも聞いて、何でも口に入れて、全身で日本を楽しんでいます。

チャーミングで、そうかと思えば真剣な顔をしてウイスキーを飲む、どこへ行っても愛されるキャラクターのバート氏。

これからも、無限大に成長を続けると確信しております。

こだわり抜いた、とっておきのウイスキーとジンを、どうぞお楽しみください!