【メディア】NHK静岡「たっぷり静岡」2018年12月5日 [世界が待ちわびるシズオカ・ウイスキー]

NHK静岡「たっぷり静岡」
2018年12月5日 午後6時10分〜7時

男性アナ
「リポートです。
日本のウイスキーの
国際的な評価が高まる中、
静岡市葵区の中山間地にある
小さなウイスキー蒸溜所が
世界の注目を集めています」
女性アナ
「地域性をキーワードに
世界に認められる
ウイスキーを造ろう!
という挑戦を取材しました」

先月、東京で行なわれた
国内最大規模の
ウイスキーイベント

世界のウイスキーファン
が集う会場で
注目を集めていたのが……

静岡に在る、
新しい蒸溜所が造った
ウイスキーです

中国からの来場者 男性1
「特別な味です」

中国からの来場者 男性2
「とても品質の高い
ウイスキーの原酒です」

中国からの来場者 女性
「静岡蒸溜所はとりわけ
有名で新しい。
それで選びました。」

このウイスキーが
造られているのは
静岡市の中山間地
オクシズと呼ばれる地域

安倍川の支流が
流れる玉川地区です

霧深い谷間に
小さな蒸溜所が立っています

操業開始は2年前
大手メーカーの
10分の1ほどの設備で
1日およそ
500 Lを生産しています

樽詰された原酒は
3年ほどかけて熟成させます
樽の数はおよそ900

本格的な出荷は
2020年からです


蒸溜所を立ち上げたのは
静岡出身の中村大航さん

もともと
精密部品メーカーを
経営していました

6年前、ウイスキーの
本場スコットランドで、
世界的に有名な蒸溜所
を訪ねたのが
ウイスキーづくりの
きっかけだといいます

「なんと本当に非常に小さく
それこそ馬小屋を改造したような
ローテクの設備で
ウイスキーを造っていたんですね」

「もしかしたら、自分でも
こういうことって
できるんじゃないか?
って思って、
そこからのスタートでしたね」

小さな蒸溜所が
世界で認められるために
中村さんが大切にしたのが、
林業が盛んなオクシズの地域性を
取り入れたウイスキーづくりです

その一つがこの発酵槽
酵母を使って
アルコールを生み出す
重要な工程で使います

一般的には
金属製のタンクを使いますが
ここでは静岡産の杉材を使って
特別に作りました

世界初の試みで、
杉のさわやかな風味が
ほのかにウイスキーに現れる
と言います


さらにアルコールを
蒸留する工程にも
地域の個性を加えます

地元の間伐材を使った
薪の蒸留機です

世界では、ガスを燃料に
蒸気で加熱する方法
が主流ですが
ここではあえて
薪を使い
直火で蒸留しています

「蒸気で蒸留するものと比べると
ヘビーでスイートな甘さがあって」

「非常に印象的な
原酒ができています」

「世界中のウイスキーの蒸溜所で
輝いてるところを見ると
地域に根付いた個性
があるんですね」

「静岡らしい、
オクシズらしい、
玉川らしい
味わいを造るには
どうしたらいいんだろう?」

「そう考えていったうちの、
欠かせないひとつの要素が
薪で蒸留することだったんです」

この冬、
中村さんが取り組んでいる
新しいウイスキーがあります

原材料のすべてを静岡産で賄う
オール静岡産のウイスキーです

「これがウイスキーの
原材料の一つになります
大麦の麦芽になります」


「普通、大麦は
だいたいが輸入です」

「今回、静岡の大麦を使って
ウイスキーを仕込んでいます」

さらに今年、
静岡県が開発した
大麦用の酵母を発酵に使い

原材料や工程のすべてに
静岡の地域性を取り入れました

初めて作る
オール静岡産のウイスキー
どんな味わいに
なるのでしょうか?

先月、中村さんは
海外のウイスキー関係者を
静岡に招きました

本場スコットランドや北欧、インドから
取引を計画している業者が
味わいを確かめに集まりました

この日、これまで仕込んできた
オール静岡産のウイスキーが
初めて蒸留されました

樽で熟成させる前の
透明なウイスキーの素です

ウイスキーの
プロフェッショナルたちの
反応は……

スウェーデンのウイスキー製造業者
「とてもクリーンな味わいが
わずかに鼻の奥に抜ける感じ」

「驚きです! すごくいい」

スコットランドの買い付け業者
「このウイスキーは
多くの称賛を得る
と確信している」

「数年後には誰もが
『ウイスキーといえば静岡』
と話すようになるだろう」

「これがジャパニーズウイスキーの
未来への道しるべになる」

「世界のウイスキーのエキスパートから
認めてもらって」

「自分の想像を超えていくようなものが
できるんじゃないか?
そんな気がしています」

静岡でしか作れない
個性的な味わいを追求する
中村さん

世界が、
静岡ウイスキーの完成
を待ちわびています

「その土地の気候風土を
たっぷりと活かした
ウイスキーができたら」

「その場所って、
どんな場所なんだろう?
って自分だったら思いますので」

「世界中から、
いろんな人たちが来てくれて
ゆっくり、ゆったりと
お酒を飲みながら」

「ウイスキーを飲みながら、
時間を過ごしてほしいな
っていうふうに思います」


男性アナ
「取材にあたった
早坂アナウンサーとお伝えします」
女性アナ
「静岡の恵みで造られたウイスキー!」
男性アナ
「オール静岡!ねえ! 」
女性アナ
「ほんとに、
『ウイスキーなら、静岡!』
と言われるようになったら、
いいですよね」
男性アナ
「実際、大絶賛でしたよね!
味が気になるところですけれども?」

早坂アナ
「あのね、飲んだんですけれども、
本当に美味しい!んですよ。
私、ウイスキー、大好きなんですけれど!
力強さの中に、バランスの良さ、
飲みやすさも混じっていて
コレ、熟成させたら
絶対に美味しくなる!
そういう味。
珍しい造り方をしている
っていうだけでなく、
出来ている物の品質の高さ
これも世界が注目する理由だな、
と分かりましたね」

女子アナ
「本格的な出荷は2020年から
ということでしたが、
コレもう買うこともできるんですか?」
早坂アナ
「今は樽の予約販売という、
樽のオーナーには
なることができるんですね」
女子アナ
「へー!!」
早坂アナ
「予約すると
自分専用の樽に詰めてくれて、
3年熟成して、それ以降、
瓶に詰めて送ってくれるという、
これは随時、
受付をしているということです。
この蒸留所では、
今月から一般向けの
見学ツアーも行っています。
事前の予約が必要で、
平日の午後2時から1日1回。
熟成中の静岡ウイスキーの
試し読みもできるということです」
男子アナ
「これは飲んでみなきゃいけないですね。
早坂アナウンサーでした」

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