【静岡・大井川】県産100%ウイスキーの製造に向けてJA大井川は、大麦「ニューサチホゴールデン」の農産物検査を、JA大 富野菜共選場前で行った。本年度は、これまでで最も多い78トンを収穫した。栽培技術の確立のために県志太榛原農林事務所の協力で試行錯誤を重ねてきた結果だ。生産者は、日当たりや水はけ、土壌状態を考慮し、栽培方法をマニュアル化して品質向上に努めている。
この日は、農産物検査員の資格を持つJA職員が、水分量の測定や、粒張り、色などの外観検査を行い、粒の出来栄えを確認した。
焼津営農経済センターの竹澤航希さんは「過去には気温や降雨の影響で収量や品質にばらつきが出た年もあったが、土壌づくりを工夫したことで、今年は過去最高の出来となった。今後も生産者と力を合わせて取り組みたい」と意欲を語った。大麦は、ガイアフローディスティリング静岡蒸溜所で製造する「オール静岡県産ウイスキー」の原料となる。2026年には、焼津市の生産者が栽培した大麦を使い、5年熟成したウイスキーを販売する。
同社は、原材料から製造工程まで県産にこだわったウイスキー造りを目指している。水は安倍中河内川の伏流水を、酵母は沼津工業 技術支援センターが開発した「NMZ-06 88」を使用。蒸留機の燃料には、地元の間伐材を用いる。これは、地元の森林資源を有効活用するとともに森林の健全な成長を促す側面もある。
JAでは、19年から同市をはじめとする地域でウイスキー用大麦の栽培を始めた。
