【イベントレポート】2023年3月8日開催 ブラックアダーセミナー

秩父ウイスキー祭りに向けて来日した、ガイアフローのボトラーズチーム。アスタモリスに続き、ブラックアダーのセミナーを開催しました!

2月23日は一般のお客さま向けとして静岡蒸溜所とのジョイントセミナー。そして3月8日には酒販店・飲食店さま向けのセミナーとしての開催です。
23日のセミナーでは、前半に静岡蒸溜所についてご紹介し、シングルモルト2種とブレンデッドMをご試飲いただきました。続くブラックアダーセミナーでは、二代目のマイケルが日本セミナーのデビュー戦となりました!3月8日のプロ向けセミナーでは、カクテルベースともなるジンやラムも追加した、6アイテムの大ボリューム。
このセミナーの様子をレポートします☆


まずは代表 中村からのご挨拶。ブラックアダーとガイアフローの関係は、ガイアフローがウイスキー業界に参入しようとした時から始まります。ブラックアダーの正規輸入代理店として契約を交わしたときには、ロビン氏はまさか蒸溜所を造るとは思っていなかったとのこと。

オクシズの山の中の、まだ何もなかった場所を知っているロビン氏は、今の静岡蒸溜所の活躍をとても嬉しく思っていてくださるそうです!


ロビン・トゥチェック:
みなさん、こんにちは。今日はお忙しい中お越しいただき、ありがとうございます。
私は日本が大好きで、これまでは年に何度も訪れていましたが、この3年間は全く来ることができませんでした。また行き来ができるようになって本当に嬉しいです。
では早速セミナーを始めていきますが、その前にまずお願いです。セミナーではテイスティングをします。ストローで飲むわけにはいかないので、ぜひマスクを取ってください!

私たちの会社 ブラックアダーは1995年に創業しました。それまで私はウイスキーやスピリッツのジャーナリストをしていました。
その取材の一環で、1982年にグレングラント蒸留所に行った時のことです。蒸留所には、美しい庭と泉がありました。その庭の中の小さな黒い金庫のようなものの中から、蒸留所マネージャーが1本のウイスキーを取り出しました。それをグラスに注ぎ、泉の水を少しだけそのグラスに足しました。

私はそのウイスキーを飲んで、こんな美味しいウイスキーは飲んだことがないとびっくりしました。これは何か、もちろんグレングラントなのだろうがと尋ねたところ、やはりその10年モノだと言います。ただし、樽から出したままのものだと。

その時に、私は樽出しのそのままのウイスキーの力を知りました。そしてその3年後私はボトラーを立ち上げるのですが、そのコンセプトは極力樽から出したままの状態を保ってボトリングするというものになりました。この経験から知ったウイスキーの味を、みなさんにも楽しんでほしいと思ったのです。THE CASK is KING、樽が王様。樽こそが全てというブラックアダーの哲学です。

今グラスに注がれているウイスキー、その中に黒い沈殿物が入っているものがありますね。これが「ロウカスク」の証。樽そのままという意味のこのシリーズは、チルフィルタリング(冷却濾過)どころか、目の荒いザルのようなもので濾すだけで、樽の内側の焦げた細かい木片まで一緒にボトリングしています。チルフィルタリングは原酒の香味成分が溶け込んだ油脂を取り除いてしまいます。チルフィルターほどでなく目の細かいフィルターで濾すだけでも、本来の味わいはやはり失われてしまいます。だから私たちはこのようにして、最高の状態のウイスキーをみなさまにお届けしているのです。

さて、ではテイスティングに入りましょう。まずは、ジン。オランダのズイダム蒸留所が造っているハンドクラフトジン「オランチア」です。

オランチア ハンドクラフテッド ジン 44%

私と息子マイケルがこのズイダム蒸留所を訪れた時、さまざまなジンのサンプルをテイスティングしました。その中で特に気になったレシピがありました。それは柑橘の香りが際立つ、素晴らしい仕上がりでした。
私たちはこれをブラックアダーのオリジナルジンとして発売することを決めました。オランチアという名前は、マイケルがつけました。柑橘を意味するラテン語です。いかがでしょう?気に入っていただけましたか?

ブラックアダー レジェンダリー 10年 

次はウイスキー、レジェンダリー10年です。世の中には実に数多く、「レジェンド」と名付けられたウイスキーがあります。これは正真正銘、伝説的な蒸留所の原酒。蒸留所名を明かすことができないのが残念です。これはアルコール度数46%、加水しています。

ロウカスク ミルトンダフ 2011 10年 

そして3つ目のアイテムはミルトンダフ2011 11年(※2023年6月発売予定)。これはロウカスクなので、しっかりと沈殿物が見えますね。

私たちボトラーは、蒸留所や樽の仲買人たちからまとめて樽を買います。50樽をいっぺんに、などですね。それからテイスティングをします。そのうちだいたい10%はとても良く、そのままボトリングできるなと思われるものがあります。そして15%程度はまあまあ良いので、このまま数年様子を見てみよう、となります。そして残りの75%は、リカスクなどで変化をつけなければならないもの、ブレンドして調整する方が良いなと思われるものです。

みなさんは「みにくいアヒルの子」のお話をご存知ですか?黄色いふわふわとしたアヒルの子たちの中に、1羽だけ混ざっていた灰色のヒナ。しかし後に美しい白鳥へと育ったという話です。これと同じで、私たちは本来の白鳥の美しさを目覚めさせるように、原酒の良さを見出して開花させることを目指しています。

この作業を私、息子のマイケル、そして娘のハナと3人でやっています。私たちは本当に小さな、ファミリービジネスなのですよ。

レッドスネーク 113 

ではレッドスネーク(※2023年5月発売予定)ですね。順番が入れ替わりますが、先に次のブラックスネークの話をさせてください。

このブラックスネークは、実は最初日本限定でリリースしました。この赤い丸は日の丸なのです。このシリーズはシェリーのソレラシステム同様に造られています。

まずある蒸留所のファーストフィルバーボン樽3挺を、オロロソまたはペドロヒメネス・シェリー樽に詰め、1年間熟成させます。

そして中身の2/3を払い出し、ボトリングします。これがファースト・ヴェノム(ヴェノム=蛇の毒)です。

そしてそのシェリー樽に同じ蒸留所のファーストフィルバーボン樽原酒2挺分を足したら、また1年寝かせるのです。1年後にまた2/3をボトリングして…ということを繰り返していくのです。最初の原酒は樽の中に少しずつ残り続け、また新しい味わいができていく。これがブラックスネークです。

レッドスネークはその姉妹のようなシリーズです。ブラックスネークと同じ蒸留所の原酒ですが、こちらはファーストフィルバーボン樽熟成の状態でボトリングしています。シングルカスクですね。

ちなみにレッドスネークというのはレッドネック、アメリカの農業従事者の愛称をもじっています。太陽が照りつける中作業をするので、帽子と服の間の首の後ろが赤く日焼けしてしまう。これをレッドネックと呼ぶのです。素晴らしいバーボンの原料が育まれ、そしてその結果素晴らしいバーボン樽が生まれる。それに対してのリスペクトも込めています。

非常に状態の良いファーストフィルバーボンならではの、バランスの良いバニラ感や甘味が感じられるでしょう。

ブラックスネーク VAT 17 サード・ヴェノム

レッドスネークをテイスティングしてから、このブラックスネーク(※2023年4月再入荷発売予定)を味わってみてください。このブラックスネークはVAT17、つまりシリーズ17作目。サード・ヴェノムなので、先ほどお話したように、払い出し3回目のボトリングというわけです。
スネークのことを日本語でヘビと言いますね。英語のHeavy(ヘビー)と似ていて、このブラックスネークが「色味の濃い重厚なボトル」であることを示しているようにも思えます。

これまでのシリーズで、最も多いもので6か7くらいまで「ヴェノム」を出したことがあります。その時はシェリー樽の風味が弱くなってきたので、5回目で樽を変えました。良いシェリー樽を長く有効活用する、私たち独自の手法です。

ロウカスク ガイアナ ダイヤモンド ラム 2003 12年

最後はガイアナのダイヤモンド蒸留所のラムです。先ほど話したような樽の仲買業者はラムの樽を持っていることも多いのですが、このラムは直接ダイヤモンド蒸留所から買い付けたものです。私たちは非常に良いラムをたくさん持っています。ぜひ色々試してみてください。


さて今日は中村サンからあまりジョークを言わないように釘を刺されていますが、最後に少し披露しましょう。

私は日本の皆さんが大好きですが、日本人を見分けるときはどこを見るかわかりますか?

答えは、膝。ジャパ「ニー」ズ、というわけです!ただし、これは中国人、チャイ「ニー」ズにも当てはまってしまいますけど!

それから、私は日本酒も大好きです。昨日もいい日本酒が飲めるお店がないか探していました。いい日本酒の探し方はご存知ですか?私に教えてください。私は一つ知っています…足で探すのです。日本「シュー」、靴を履いてね!

質疑応答

  • シェリーカスクはどこから調達しているのですか?

ロビン:まずスペインの樽を造っているサプライヤーから樽を買って、それを信頼するボデガ(シェリー生産者)に貸し出します。1年以上シェリーの熟成に使ってもらったものをスコットランドに送り、リカスク用に使っています。

  • ラムの生産国で好きな国はありますか?また、特に好きな樽はありますか?

ロビン:20年以上熟成したパナマラムは素晴らしいですよ!私たちのリリースにもありますから、ぜひ試してみてください。

それから、どれか一つだけ樽を選ぶことはできません。私にとって樽は子供のようなもの。長男が一番好き、末娘が誰より大切…そんなことはありませんよね。どの樽も同じように愛情を持っています。

ところで、みなさんは今日テイスティングした中でどれが一番好きでしたか?一度だけ手をあげてください。
ジンの方? レジェンダリーの方?ミルトンダフ?ブラックスネーク、レッドスネーク、ラム…?

かなりバラバラですね。このように、みなさんそれぞれのお好みがあって、どれが正しいというわけではないですよね。それが良いと思います。

  • シェリー樽をスコットランドに運ぶとき、中身は完全に抜いているのですか?少しは残っているのでしょうか。

ロビン:樽が乾燥しないように、湿度を保つという意味で少し残っています。

  • 中のシェリーがたくさん残っていたら、風味がもっと濃厚になりますよね。そのような方法をあえて取っていたりするのでしょうか。昔のシェリー樽熟成品は、もっと濃かったように思います。

ロビン:それをしたら、ウイスキーではなくなってしまいますね。17世紀頃、シェリーは樽に中身が入ったままイギリスに輸入されていました。シェリーそのものの需要も高かったのです。その樽を使って熟成していたので、もっと状態が良かったかもしれませんね。

余談ですが、「シェリー樽熟成」と「シェリーフィニッシュ」の違いをご存知ですか?全熟成期間の中で、シェリー樽で熟成した期間が3年以上であれば、シェリー樽熟成を名乗れます。3年未満の場合がシェリーカスクフィニッシュとなります。シェリー樽での熟成期間の違いもあるでしょうね。


3年ぶりのセミナーということもあり、熱気と笑いに溢れた時間となりました。
数日後にはスコットランドに帰国したロビン氏ですが、5月13日開催の東京インターナショナル・バーショーには娘のハナさんと来日を予定しています。今回タイミングが合わなかったみなさまにも、その機会でお会いできることを願っています!

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